世界中には、泡のでるお酒が多種多様、何種類も作られています。その中でも、シャンパーニュ(シャンパン)は、イメージ的にも特に高級なスパークリングワインの一つです。なぜ、シャンパーニュ(シャンパン)が高級なのか、世界各地のスパークリングワインの定義やそれぞれの違いについてご紹介します。
世界各地でワインを造っているところには、スパークリングワインが存在することがあります。もちろん日本でも日本ワインを造っているところで多種多様なスパークリングワインが造られています。
ただ、シャンパーニュ(シャンパン)は、他のスパークリングワインに比べ、法律的な条件がかなり厳しいスパークリングワインの一つとなっています。
生産国や作り方によっても変わってきます。例えば、英語で「スパークリングワイン」と呼ばれていますが、フランスでは「クレマン」や「ヴァン・ムスー」と、呼ばれています。シャンパーニュ(シャンパン)は、フランスの「ヴァン・ムスー」の中の特定の場所で造られているスパークリングワインの名前があり違います。
その特定の場所と言うのが「シャンパーニュ地方」であり、その地方の名前がそのまま使われています。日本、イギリス、アメリカ、オセアニア、南米では、英語表記で、スパークリングワインと呼ばれており、スペインでは「スプモーソ」や「カヴァ」、イタリアでは「スプマンテ」「プロセッコ」「フランチャコルタ」、ドイツでは「シャウムヴァイン」「ゼクト」と呼ばれる泡の立つワインがそれぞれ造られています。もちろん、各国でも場所や作り方によって名前も違っています。
造り方は、数種類存在していてそれぞれ違いがあります。シャンパーニュ(シャンパン)方式(トラディショナル方式ともいう)は、一次発酵を木樽またはステンレスタンクで行い、二次発酵や澱引きはボトルごとに行います。
シャンパーニュ(シャンパン)以外でも、この方式をとっているスパークリングワインがあり、フランスのクレマン、スペインのカヴァ、イタリアのフランチャコルタ、ドイツのゼクト(一部)がこれにあたります。澱引きなどかなり手間のかかる作業工程があります。
その他にもいくつか、泡を出す方法があります。まずは、シャルマ方式といって、一次発酵の済んだワインを大きなタンクに密閉しその中で二次発酵を行ってからビン漬けをします。動瓶や澱引きの手間がなく、低コストで造られています。この方式は、イタリアのアスティ・スプマンテやドイツのゼクト(一部)で用いられ、フレッシュさと果実味を全面に出したいときに使われます。
次に、トランスファー方式です。これはアメリカのスパークリングワインやフランスのヴァン・ムスーに用いられ、瓶内二次発酵をさせて炭酸ガスを含んだワインを加圧下のタンクに一旦、移し、まとめて澱引きしたあと再び瓶詰をする製法です。こちらも動瓶や澱引きを簡略化した製法になっています。
また、日本酒の発泡酒でも使われる製法にメトード・アンセストラルといって、発酵途中の果汁を瓶詰めして密閉し、残りの発酵を瓶内で行うという、昔ながらの方式です。
そして一番簡単なのが、炭酸ガス注入方式です。こちらは、瓶に入ったワインに炭酸ガスを注入する方法で、カジュアルなタイプのスパークリングワインによく用いられ作業的にも工程や、機材が少なく、価格も安価になっています。
造り方一つとってもシャンパーニュ(シャンパン)は、作業工程も多くなっていることが違いますね。
シャンパーニュ(シャンパン)は、他にも法律で決められたことが多くあります。まず品種です。シャンパーニュ(シャンパン)を作ってもいい品種は、白ブドウのシャルドネ、黒ぶどうのピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類です。(慣例として他の古代品種が認められているところもあります)
そして、収穫は全て手摘みでないといけません。
収穫後の果汁の量も厳密に決められており、4000kgのぶどうから最初の搾汁(テット・ド・キュヴェと呼ばれる)は、2050ℓ、2回目の搾汁(プルミエール・タイユ)では、500ℓの合計2550ℓのみでしか作ってはいけないことになっています。
また、瓶内熟成に関しては、ヴィンテージのないもので最低15か月、ヴィンテージのあるものは、最低3年以上の熟成期間を経てから出荷されます。
このようにシャンパーニュ(シャンパン)に関しては、他のスパークリングワインの製造方法や法律よりもさらに厳しい条件や、作業工程の複雑さがあり、特別な、スパークリングワインの位置づけとなっています。
個人の好みや、飲む環境や、食事など、多種多様なスパークリングワインを選ぶ機会があります。これからの季節もシュワッとした喉越しはスッキリ飲みたくなる季節です。是非参考にしてみてください。