ラルマンディエ・ベルニエは、カンパニアン・チョークのグラン・クリュ、プルミエ・クリュに畑を持ち、早くからビオディナミを実践しているメゾンです。土壌に由来するエレガントさ、ミネラル感をそのまま表現したシャンパーニュ(シャンパン)を生産しているラルマンディエ・ベルニエをご紹介します。
ラルマンディエ・ベルニエとは
コート・デ・ブラン地区のヴェルテュ村を拠点とする、RM(レコルタン・マニピュラン)のメゾンです。クラマン村、アヴィーズ村、オジェ村(いずれもグラン・クリュ村)と、ヴェルテュ村(プルミエ・クリュ村)に、18haの畑を持っています。土壌は、白亜紀後期のカンパニアン期のチョーク層です。ビオディナミ農法でぶどうを栽培していて、90%以上がシャルドネ、あとはピノ・ノワールとピノ・グリです。
ラルマンディエ・ベルニエは、代々ぶどう栽培を行なっていた家系であるラルマンディエ家とベルニエ家の、フィリップ・ラルマンディエ氏と、妻のエリザベス・ベルニエ女史が、1971年に設立しました。
1988年、彼らの息子のピエール氏がメゾンに入り、ソフィー女史と結婚。2017年にはその息子のアーサー氏も加わって、現在はこの3人がメゾンを運営しています。
2010年には醸造所を新設して、さらに長期の熟成を可能にし、また2018年には、ソフィー女史の出身地であるアヴィーズ村に新たな畑を購入して収穫を安定させるなど、常に進化を続けています。
いち早く、20年以上も前からビオディナミを実践していた。偉大なシャンパーニュ(シャンパン)は、高いポテンシャルを持つぶどうから生まれるという考えから、ピエール氏はメゾンに入った4年後の1992年、まず農薬の使用を完全に止めました。そして1999年にはすべての畑でビオディナミ農法に切り換え、2003年にオーガニックの認証も取得しました。
また2002年には、これまで一度も農薬が使われたことのない4haの畑を、ヴェルテュ村に購入しています。
99%のメゾンが培養酵母を使う中、ラルマンディエ・ベルニエでは、ビオディナミに転換したのと同じ1999年から、天然酵母によるアルコール発酵をさせています。良いワインではなく、偉大なワインを作るために、天然酵母は必要不可欠だと言います。偉大なワインはテロワールを表すもので、天然酵母もテロワールのひとつの要素だからです。
ピエール&ソフィー夫妻は、シャンパーニュ(シャンパン)にとって最も重要なのは、それぞれのテロワールの個性が、それぞれのキュヴェに反映されることだという信念を持っています。ビオディナミも天然酵母もそのためです。この2つを1999年に取り入れて以降、ワインの表現力がどんどん上がっていきました。するとステンレスタンクではその表現力に十分適応できないと感じ、現在は木樽で醸造して、ワインに呼吸をさせています。
また、ごまかすことなくテロワールを最大限に表現するためには、できるだけ人の手を介入させてはいけないと、清澄・濾過は行なわず、ドザージュもゼロまたはごく少量です。
ヴェルテュ村の同じ緯度(ラティテュード)の畑のブラン・ド・ブラン
Larmandier-Bernier Latitude Extra Brut ラルマンディエ・ベルニエ ラティテュード エクストラ・ブリュット
シャルドネ100% ドザージュ4g/L
ピエール氏の両親の時代には、トラディションという名前でした。2004年からのリザーヴワイン40%。
Larmandier-Bernier Vieille Vigne du Levant Grand Cru Extra Brut
ラルマンディエ・ベルニエ ヴィエイユ・ヴィーニュ・デュ・ルヴァン グラン・クリュ エクストラ・ブリュット
シャルドネ100% ドザージュ2g/L
1988年からのキュヴェです。当初は、ヴィエイユ・ヴィーニュ・ド・クラマンという名前でしたが、「クラマン」と「クレマン」が混同されやすく、名前を変えました。
Larmandier-Bernier Terre de Vertus Premier Cru Non Dosé ラルマンディエ・ベルニエ テール・ド・ヴェルテュ プルミエ・クリュ ノン・ドゼ
シャルドネ100% ドザージュ0g/L
1995年からのキュヴェです。すでにバランスが完結しているシャルドネが生まれる区画「レ・バリエ」をピュアに表現しています。