ボランジェにも認められる高品質なぶどうを栽培するピエール・カロ。2007年のブルータス誌のプレステージ・シャンパーニュ(シャンパン)特集で、フラッグシップ・キュヴェが1位を獲得して以降、日本でも一躍有名になったRMメゾン、ピエール・カロをご紹介します。
○ピエール・カロとは
コート・デ・ブラン地区のアヴィーズ村を拠点とするRM(レコルタン・マニピュラン)です。アヴィーズ村、クラマン村、シュイイ村(いずれもグラン・クリュ村)とグローヴ村(プルミエ・クリュ村)に、合計7.25haの畑を所有し、リュット・レゾネでぶどうを栽培しています。
このうちの5haのぶどうで自身のシャンパーニュ(シャンパン)を作り、あとの2.25haのぶどうは、ボランジェに販売しています。さらにボランジェが所有するアヴィーズ村の畑(0.6ha)のぶどう栽培も任されていて、栽培技術の高さが分かります。
シャンパーニュ(シャンパン)の生産量は、年間40,000本です。
○ピエール・カロの歴史
1784年にアヴィーズ村に生まれたルイ・カロ氏がぶどうの栽培を始め、代々畑が受け継がれていきました。そしてピエール・カロ氏が1955年にシャンパーニュ(シャンパン)作りを始めました。当初はごく小さな規模でしたが、1971年にパイパー・エドシックの畑や醸造所を買い取りました。
1996年、ピエール氏の四男であるティエリー・カロ氏が主となりました。栽培農家の時代から数えて6代目となります。
○品質の高い、強いぶどうを作る
ピエール・カロでは犂で畑を耕し、除草剤を使わないなどリュット・レゾネを実践しているので、ぶどうそのものが強いとティエリー氏は言います。その強さ、品質の高さをボランジェも認めているのです。
畑作業はできる限り手で行ない、伝統的な垂直式圧搾機でプレスします。
○自然界との調和
ピエール・カロのラベルには、自然と共生しながらワインを作るというメッセージを込めて、鹿やうさぎ、鳥、蝶などとぶどうの木が描かれています。
またラベルには、ドイツの哲学者ニーチェの言葉も記されています。
『地を耕したいのなら、犂を使って耕すがよい。その背後を行く鳥と狼を喜ばすことだろう。おまえはすべての生き物を喜ばすのだ』
なおピエール・カロは、フランス政府による、環境保全を推進する農家や企業への認証であるH.V.E.(環境価値認証)を取得しています。
○生物共同体を尊重して卓越を生む
さらにボトルの裏にもティエリー氏からのメッセージが記されています。
『このシャンパーニュ(シャンパン)は、何世紀もの伝統の産物であり、私たちのテロワールの生物共同体へのリスペクト、つまり植物相、動物相、そこで働く人間たちへのリスペクトから産まれたものであります。これが私たちの喜びです。
私たちは、犂で畑を耕すこと、アンエルブマン(畝間を草で覆う)を行なうこと、そして栽培家として欠かすことのできない手作業を入念にすることを何よりも大切にしています。そうすることで卓越に到達することができるのです』
・3つのグラン・クリュ村のぶどうを用いたスタンダード・キュヴェ
Pierre Callot Blanc De Blancs Brut ピエール・カロ ブラン・ド・ブラン ブリュット
シャルドネ100%
アヴィーズ村、クラマン村、シュイイ村のぶどうをブレンドしています。
・2017年に初リリースされたプレステージ・キュヴェ
Pierre Callot Les Chênes Exrta Brut ピエール・カロ レ・シェーヌ エクストラ・ブリュット
シャルドネ100%
アヴィーズ村の中腹にある区画レ・シェーヌのぶどうを、エクストラ・ブリュットで仕上げています。
・1975年に植樹された0.07haの区画から、年産わずか800本のフラッグシップ・キュヴェ
Pierre Callot Clos Jacquin Brut ピエール・カロ クロ・ジャカン ブリュット
シャルドネ100%
十分に熟すまで待った最終段階で収穫したぶどうを使い、木製キューブで1年発酵させます。